丸太の雪上搬出技術を学びに

雪国もようやく春めくこの季節、森の中も少しずつ賑やかになり始めます。
木々が十分に水を吸い始める前に木を伐採し、雪の上で丸太を運び出すことができるので、
山持ちの方や地域の林業関係の方々が山に入っていく時期であるからです。
そんな中、私たちも雪の残っているうちに林道から離れた場所で、間伐されたブナ等を搬出できないかとその道の名人に雪上搬出方法について教わりに行ってきました。

場所は糸魚川市大所。
翡翠(ヒスイ)の産地で有名な姫川中流域から沢伝いに上っていった山間の小さな集落です。

  • 薪積み
    名人はどうやらこの家の主。薪の積み方からきちっとした性格がうかがえます。
  • 座談
      大人数で押し掛けたにも関わらず、温かく出迎えて頂いた山岸さんご夫婦

少し前まで、大所集落の近くに木地師(お椀などの木製品の下地となる木地を作る職人)の集団が定着した集落が近くにあったことや、その職人集団と協力してブナを搬出した話しなど、様々な興味深い情報を提供頂きました。

  • 古い写真
    かなり以前の集落の奥山で搬出を行った頃の写真

座談がひと段落し、実際に雪の上での実演、指導を頂きました。
まずは一本橇(そり)の組み立てからです。


  • スノーボードに手足が伸びたような構造

  • 伐採地までこのように背負っていきます

ご覧の通り、道具は昔ながらの民具であり、集落の方自ら手作りのものです。
橇は一本の木からうまく曲線となるよう手斧で斫(はつ)った跡が見てとれます。

  • 実演
    名人の実演

  •  腕木が左右違う形であるのが分かります

この橇は一人で操作が基本であり、真っすぐな腕木を持って行います。
流石は名人の橇さばき、お見事!
斜面ではエッジを立てて、うまくスライドさせて橇に人が二人乗っても難なく操っていました。

私たちは新潟の山間の集落に残された伝統技術を学び、地域に持ち帰って早速実践してみたいと思います。
また、その様子はこちらでお伝えしますのでこうご期待ください!